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不登校34万人 文科省の発表をティントル代表が考察してみた

文科省は11月、「不登校児童生徒34万人」という発表をしました。
小学生約3万人、中学生約2万人の増加で、前年度比で5万人増で合計約34万人という結果です。(以下文科省HPより引用)

「増加の背景として、児童生徒の休養の必要性を明示した『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』の趣旨の浸透等による保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下、特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導や必要な支援に課題があったことなどが考えられる。」

文部科学省 2024-10 令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

本記事では、この文科省の発表をティントル代表の中野が考察していきます。

「不登校児童生徒が増加した原因」として予測された項目

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律

不登校の子どもに対して、学校以外にも不登校特例校の設置など居場所を広げることが求められています。それと同時に、「安心感、充実感が得られる活動の場」となるような学校づくりを推進していくことが今後の課題でしょう。

不登校を問題行動として捉えず、子どもにとって学校が安心できる環境ではない場合は学校外にも目を向けることも必要です。
また、ICTを活用した学習による出席扱いなど、学校に通っていないことによる不利を起こさない制度の認知も広がりました。
本来は学校づくりと学校外施設の地域連携がメインの支援策でしたが、現状は学校外施設の活用がメインではないでしょうか。
学校の対応は、各学校によって大きく異なり、この教育機会確保法についても理解が進んでいない学校もあるように感じられます。
対して学びの多様化学校(不登校特例校)の設置は進んでおり、地域ごとにフリースクールの助成金など制度面の対応は進んできている印象があります。

コロナ禍の影響による登校意欲の低下

この項目に関しては疑問が残ります。というのも、コロナ禍が登校意欲を低下させた直接的な原因ではないと考えられるからです。
コロナ禍によって自宅学習が進み、ICTなどもより活用されるようになりました。子ども達が学校で感じていた辛さ・しんどさが表面化し、その結果として「学校へ通う必要性が見いだせなくなった」ことがきっかけの一つではないでしょうか。
つまり、「もともと何かしら学校に違和感を抱いていた」。それがコロナ禍をきっかけに「行かなくてもよくなった」という経緯ではないかと推測できます。

特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導や必要な支援に課題があった

こちらに関しては今後、学校での対応は難しくなってくるのではないかと思います。
現状、授業を行う教員や担任の負担はかなり大きいものです。その中で、数十名のクラス内で「支援が必要な子に対する適切な指導」を行うには大規模な改善が必要となります。改善策のひとつとして「副担任をおく」という考えがありますが、今のところその動きは見られません。
そうなると、別室登校という結果に落ち着きます。しかし、担当する親御さんからは、別室登校の仕組みが無いというお声もいただいいており、地域差があるのが現状です。

不登校児童生徒について把握した事実

まずはこちらをご覧ください。

文部科学省 2024-10令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

こちらは、小中学生の教員に対するアンケート結果です。

今回の調査で私が最も気になった点が、
「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」です。
そもそも、文科省が用意した選択肢を教員が選ぶ形式なので、不登校になっている生徒本人が感じている本当の理由とは言い切れないのですが…。メディアの記事やニュースなどを見ていると、「学校生活に対してのやる気」が「勉強へのやる気」のように見えてしまう点が最大の問題かと思います。
これにより「不登校生=怠け」の考えが広がってしまい、適切な支援へ繋がらない危険性があると思います。

ティントルでサポートしている生徒の中には、学校に通っていなくてもテストで高得点を取ってくる生徒も多くいます。
学校に行かずとも勉強はできる時代。改めて学校で何を学ぶのか、公教育の役割が見直される時代になってきていると思います。

今後について

個別最適な教育を学校・各地域が提供することにも限度が見え始めています。
これからは各家庭・各保護者で教育を選択していく時代になってくることが想定できますが、その分保護者の方の経済的・体力的・精神的負担が大きくなってきます。
共働きが多い今の世の中で学校外教育を選択せざるを得ない場合の行政サポートは、引き続き期待したいところです。

今では多種多様な学校外教育があり、コロナ禍を機にオンライン上のサービスも急増しました。
サービスを検討するにあたり、注意したいのは我が子の向き不向きです。
より適切な選択をしていただくために、2つの目的別に簡単な説明をしていきます。

学習を求められる場合

義務教育期間は、ほぼ自動的にどこかの学校に所属している扱いにはなります。しかし高校からは受験を経て、入学することになります。
入試や今後を考えると最初に不安になってくるのが学力面ですが、過剰な不安は不必要かと考えております。
例えば英語。本人の意思さえあれば、3-6か月で中学校範囲を終えることも可能です。
しかし、学習面で気をつけていただきたいのは、「お子さん本人の健康状態や精神状態」です。よくご相談いただくケースとしては、「保護者の方が学習面で焦ってしまい、勉強を強要してしまった。その結果、学校生活だけでなく、自宅学習まで苦手意識を抱いてしまうようになった」というもの。不安に思われるお気持ちをぐっと堪え、お子さんのペースで学習を進めていく必要があります。これが想像以上に難しく、お子さんだけでなく保護者の負担も大きいので、学習サービスを利用される方が多いです。

サポートの種類ですが、
①塾②塾運営フリースクール③家庭教師(オンライン含む)④ICTコンテンツの大まかにはこの4種。
選び方としては、まずは「通い」or「自宅学習」のどちらかでしょうか。塾や塾運営のフリースクールなどは、通うことで指導やICTのコンテンツの利用ができる場合が多いです。自宅では家庭教師やICTコンテンツですね。

塾・塾運営のフリースクール

塾・塾運営のフリースクールは、集団授業は避けていただいた方が良いでしょう。
基本的に学校のペースもしくは予習が行われるため、過去の学習内容に穴があると授業についていけなくなってしまいます。
塾や塾運営のフリースクールの場合は、個別指導塾がおすすめです。可能な限りマンツーマンの1:1での授業形式が
望ましいです。2:1等の場合は、先生が空いていないときは何をするのかご確認いただいて、お子さんが問題ない条件であれば学習も可能です。
最も重要なのが、距離や通いやすさ。規則的に通っていくことになるため、もし当日に行けなくなった場合の対応など、確認していただけると安心です。

ICTコンテンツ

ICTコンテンツは、お子さん次第で効果の発揮具合が変わってきます。
手軽に始めることができ、かなり内容も充実してきているので、使いこなせば問題なく中学の授業の代わりにできます。ただし、お子さんのやる気がないと強制力も低いので手を付けづらい側面もあります。

家庭教師(オンラインを含む)

家庭教師は、対応してくれる講師次第です。1:1で学習ペースはお子さんに寄り添えますが、特性をお持ちの場合は講師の理解がポイントになってきます。
また、講師以外のサポートも要チェックです。学習がメインとはいえ、メンタル面などの専門的なサポートが必要になってきます。
ティントルでは不登校心理士の資格を持ったサポートスタッフが、勉強から生活までサポートします。お困りの方はご相談ください。
ご相談はこちら

外出・コミュニケーション・体験を求められる場合

学年にもよりますが、外の世界と繋げることを求められる場合もありますよね。この場合はどんな体験をしてもらうのか・どんな人間関係を築いてもらいたいのか考えてみましょう。

フリースクール

今一番利用者が多いのがフリースクールではないでしょうか。
フリースクールとは、公教育とは異なる教育目標を持つ学校のことで、その学校の教育理念に基づいた活動が行われます。
自然活動や芸術・プログラミングなど多岐にわたりますが、現在ではオンライン含め学習活動を中心に据えているフリースクールも増えてきました。
中にはフリースクールとひとくくりに出来ないような、多種多様な学校があります。体験した上でそこに通う生徒・スタッフ、教育活動を検討して選んでいく必要があります。近年では、助成金などを出す自治体も増えています。

適応指導教室(自治体運営)

適応指導教室とは、各自治体が運営する不登校等生徒の為の教室です。
名前は様々ですが、元教員の方や元校長の方などが運営に携われていることが多く、同地域同年代の生徒と関われる環境でもあります。入所には事前面接が必要な教室が多く、入所まで数か月かかる場合や、定員に達していると入れない場合もあります。
基本的に無料で利用でき、体験活動を盛んに行っている教室もあります。習い事などは週に数回、お子さんが好きなことをできるので、
フリースクールよりもお子さんの挑戦ハードルが低い傾向です。

習い事での活動を通して体力的・精神的に健康になる効果が期待できます。ただし、指導者の方は不登校や特性について理解が薄い場合もあるため、注意が必要です。

自然体験

自然体験活動も習い事の一種ですが、参加者全員が互いを知らない状態から関係構築をしていくものが多いため、元々ある人間関係に入っていく必要がありません。気軽に参加できるのも強みなので、機会があれば参加されてみてはいかがでしょうか。
私が大学生時代にボランティアをしていたNOTS(国際自然大学校)では、通年や夏期・冬季など様々な活動を行っているのでおススメです。(宣伝みたいになってしまいました…スタッフさんもいい人ばかりです)

まとめ

まとめになりますが、どの選択をしたとしても必ず「もし…」という不安は生まれます。
そのため、不登校対応に正解はないというのが私の考えですが、後悔がないように考えていただいた結果であれば、ある意味それが正解だと思います。
ただ、今お子さん・親御さんが「焦っているな」と感じた時、急いで選択をしそうな時は、一度踏みとどまっていただきたいです。
余裕がないときは、誰かに相談してみてください。

不登校専門オンライン個別指導ティントル 代表:中野

※生徒一人一人に合わせていきますが、あくまで一例として紹介します。

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